日本の教育におけるユニバーサルデザインの実践や工夫はまだまだ始まったばかりです。
とはいえ、既に特別支援教育で実践していたことや、先生方が生徒のようすを見ながら自然と工夫をされてきたことなどがあるでしょう。「すべてゼロからスタート」という方が少ないかもしれません。
星槎大学の阿部利彦教授は、教育のUDとして「授業のUD化」「教室環境のUD化」「人的環境のUD化」の3つの柱を提唱されています。
そして学校のUD化の第一歩として、「教室環境のUD化」を、「各先生方がすでに実践している教室環境整備の工夫を拾い出し、それらを”見える化”して、その学校のスタンダードにしていく作業から始めていくのがよい」と指摘し、
並行して、外部専門家などの協力も受けながら、先生方が意識せずに行っている「UD的な授業」の工夫を意識化し、学校全体で共有化していく流れを提案しています。
参考:
阿部利彦(2016)「通常学級でユニバーサルデザインを進めるために」『通常学級のユニバーサルデザインと合理的配慮』金子書房, p.2-14.
阿部利彦(編著)、川上康則・片岡寛仁・上条大志・久本卓人(著)(2015)『通常学級のユニバーサルデザイン プランZERO2 授業編』東洋館出版社.
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