第2回研究会講演内容について

講演「日本語母語話者の英語読み書き困難の背景と支援
-学習方略と背景要因の変化における考察-」
銘苅実土(帝京大学)

 日本語と英語は、文法や文字、音声など多くの点で異なっており、その違いが大きいほど身につけるのは困難になります。当然、非アルファベット言語である日本語を母語とする子どもたちが英語を学習しようとすると、日本語の影響による独自の困難さが生じます。これまでに約1300人の中学生を対象に行った研究結果から、日本語母語話者独自の英単語の学習方略やその変化について明らかになってきました。今回の講演では、日本語と英語の言語的な違いを手掛かりに、日本語母語話者が抱える英単語綴り学習困難の背景や、それに応じた指導方法、教材等についてご紹介します。また、中学生の抱える困難の要因から、小学校の外国語の授業で身につけておくべき読み書きの下地についても提案します。